テレビや広告などで見かける「永代供養(えいたいくよう)」とはどんなお墓なのでしょうか。お墓はそう何度も購入するものではないので、詳しくなくても無理はありません。わたしたちがよく知る一般的なお墓と一体何が違うのでしょうか。
- 永代供養って何?どんなお墓なの?
- どんな人が購入するべきなの?
- どんなもの種類があるの?
- 相場やかかる費用はいくらくらい?
- メリット・デメリットは?
永代供養の基本的な情報を網羅した保存版。
編集部
目次
結論:永代供養墓は現代の社会情勢にもマッチした合理的な選択である
永代供養墓とは少子化・核家族化・個人の選択を尊重する時代において非常に合理的といえるお墓の形です。
それを裏付けるように年々永代供養墓の数は増加していますし、既存のお墓から引っ越し(墓じまい)をし、永代供養に移る人も少なくありません。
墓じまいや永代供養が増えた理由
はじめに永代供養墓の歴史と、急速に数が増えた理由について時代背景をもとに紹介します。
社会環境の変化で無縁墓が急増
現在のような墓石を建てるお墓が一般化する以前の日本では、土葬が中心でしたが、明治に入り旧民法で「家制度」が定められ、家の継承を重視するようになると、先祖代々まとめて1つの墓に祀られるようになります。
このことからお墓は家族のつながりや、自身のルーツやアイデンティティーを確かめる場にもなっていきました。しかし戦後になって、人々は都会へと出ていき、お墓も核家族化が進行していきます。
そうして地方のお墓の守り手は減っていったのです。
その結果、管理する人が誰もいなくなるいわゆる「無縁墓」が急増し社会問題となります。
無縁墓化を避けるための手段
放置された無縁墓に眠る霊を弔い、無縁墓をなくす目的で登場したのが「永代供養墓」です。
日本で初めて永代供養墓が登場したのが1985年、滋賀県の比叡山延暦寺にある「久遠墓」が最初とされています。2000近くの個人墓、夫婦墓などを設置できる広大な敷地を有する立派なお墓です。
久遠墓が登場して以降、全国のお寺で点々と永代供養墓が誕生していくことになりますが、一般的に普及していったのは2000年代に入ってからのこと。そのきっかけとなったは、1999年に改正された「墓地、埋葬等に関する法律(墓埋法)」です。
それまで引き継ぎ手のない無縁墓から遺骨を取り出し他のお墓に移す改葬(墓じまい)には煩雑な手続きが必要でしたが、法律の改正によって大きく簡略化されました。
このことがきっかけで、引き継ぎ手がいないお墓を永代供養墓に移すことが容易となったため、永代供養の普及が本格的に始まりました。時を同じくして、広く普及したインターネットによって永代供養墓の情報提供や募集が簡単に行えるようになったことも理由の一つと言われています。
こうして新しいお墓「永代供養墓」は需要を拡大していく事になります。
2000年代から普及していった永代供養墓というお墓の形。
まだまだ歴史が浅いんです。
次の章では永代供養墓を選ぶべき人とそうでない人を解説していきます。
編集部
永代供養墓はどんな人が購入するのか
通常、自分の家や実家の近く、また配偶者の実家のお墓など、ほとんどの方は「入ろうと思えば入れるお墓」をお持ちのはず。しかし永代供養墓を選択する人が後を絶ちません。一番の理由は前述した「核家族化」です。
- 実家のお墓が遠くて引き継げない
- 子孫にお墓の面倒をかけたくない
- お墓を守る金銭的な負担が大きい
という理由が大半ですが、それ以外にも1人で、あるいは夫婦のみなどでお墓に入りたいといったものや、ペットと一緒にお墓に入りたい、友達どうして入りたいという声もあり、そういったニーズに対応したお墓も登場しています。
さらに「死後離婚」といって配偶者との不仲が原因で死んだら別々のお墓に入りたいという考えから永代供養を望む方もいます。
「死後離婚」するには?永代供養墓で夫婦で別々のお墓に入るにはどうすれば良い?これまでの先祖代々のお墓が当たり前の時代では考えられないほど自由にお墓を選ぶ時代に突入しています。
このほかにも
- 代々の墓の檀家制度に疑問を感じている
- 宗教・宗旨・宗派にこだわりがなく無宗教
- 家族と宗旨・宗派が異なる
- 親兄弟・配偶者の遺骨が自宅にあり困っている
- 生涯独身で自分のお墓を管理してくれる人がいない
編集部
永代供養のメリットは?
一般的なお墓と比べて永代供養を選ぶメリットはどのようなものがあるのでしょうか。
主なメリットは以下のとおりです。
永代供養のメリット①寺院や霊園に供養・管理を任せられる
永代供養墓の最大のメリットは「管理の手間がかからないこと」です。
一般的なお墓は基本的に自分たちで掃除をしたりお花を供えたりといった日々の管理が欠かせませんが、永代供養墓はその必要は一切ありません。
基本的なお墓の管理はすべて運営する寺院や管理会社が行ってくれるためいつも清潔に保たれ、お彼岸などには合同でお経をあげてもらうことができます。もちろん普通のお墓と同様に、お墓参りもすることができますので、心配は要りません。
永代供養のメリット②一般のお墓に比べて費用を抑えられる
価格が安く抑えられるのも特徴の一つ。一般的なお墓は、霊園内に「聖地」と呼ばれる土地を購入し、その土地に墓石を建立する必要があるため、どうしても高額になってしまいます。
値段は霊園や墓石の種類によって様々ですが、数百万円規模。新たに自分たちだけで入るのであれば合理的とは呼べません。
永代供養のメリット③基本的に宗派・宗旨を問われない
一般的なお墓は基本的にその寺に檀家になることが条件となりますが、永代供養であれば檀家としての契約を結ぶ必要もなく、基本的に宗旨・宗派は・国籍問わずどんな人でも入ることができます。
永代供養を選ぶ人の中には、檀家として寺と関わりを持ちたくないと考える方も多くいます。
永代供養のメリット④交通の便や周辺環境が良い
近年ではお寺だけではなく、企業が管理者となり永代供養墓を運営することも少なくありません。
こうした新たに作られた霊園は交通の便が良く、公園のように明るく緑あふれる空間にプロデュースされたものも多いため、とても環境が良いと言えます。また、都心部では広い敷地が確保しにくいといった理由から、屋内型のお墓も増えてきています。
屋内型の霊園や納骨堂は駅近くにあることが多く、アクセスが便利。また天候に左右されませんし、全館バリアフリーとなっている施設が殆どで、車椅子に乗った方でも気軽にお墓参りをすることができるので人気が高まっています。
永代供養のデメリット・注意点は?
一方でデメリットもあります。事前にしっかり確認しておくことでトラブルを未然に防ぐことができますので、不明点はしっかりと管理者に確認しておくことが重要です。
永代供養のデメリット①一度合祀したらやり直せない
永代供養墓は「永代」と名前がついていますが基本的に弔い上げの33年間(※霊園によって異なる)を個別に埋蔵、その後は合祀墓(ごうしばか)といって他の遺骨と合同で埋蔵される場合が一般的。
しかし合祀されたからと言って読経などの供養がなくなるわけではなく、合同の供養塔などへ引っ越しするといったイメージです。
最初からこの合祀墓タイプの永代供養墓選ぶ事もできます。その場合は個別のお墓よりも安くなるため、価格を抑えたい方は最初から合祀タイプのお墓を選ぶのがおすすめです。
しかし合祀墓に埋蔵されてしまうと他の遺骨と混ざってしまうため、あとから取り出すことができなくなるので注意が必要。
あとあと家のお墓を建てたからといって合祀墓から遺骨は取り出せませんので注意しましょう。
永代供養のデメリット②遺される家族の心の拠り所となるか
個別埋蔵の永代供養墓であれば、一人に付き一つの名前入りのプレートなどが用意されているところがほとんどなので「この人がここに眠っている」というのはすぐに分かります
しかし合祀墓に移されると他の遺骨と共同の供養塔などに安置されるため、「お墓参りをしている感」が薄れてしまうと感じる方も少なくないようです。
この辺りはご自身の価値観と相談して判断するべきですし、自分は良くても他のご家族がどう感じるかも配慮が必要。実際に永代供養墓に遺骨を移してから遠い親戚から連絡があり「そんな話は聞いていない」とトラブルになる可能性もあります。
永代供養墓にはどんな種類があるの?相場価格は?
永代供養と名のつくお墓には実に様々な種類があります。この章では代表的な永代供養墓の種類と特徴、相場価格について紹介します。お墓は不動産などと同じで地域や立地によって価格もまちまちです。
そんなときはインターネットでお住まいの近くのお墓を効率よく検索する事ができます。
お近くの永代供養墓をネットで検索
「いいお墓」は一部上場企業が運営するHPなので安心。詳しい使い方はこちらの記事をどうぞ
全国の永代供養墓を探せるHP「いいお墓」のメリットや使い方をわかりやすく解説編集部
屋内型のお墓
都心部の多いタイプのお墓で、外観はビルのような建物になっています。広い敷地が確保しにくいといった都会のお墓特有のデメリットを解消する為にこのような形態となっています。
- 天候に左右されない
- バリアフリー設計
- 交通の便が良い
- 法事の為のスペースなどを併設
といった特徴があります。遺骨の安置方法は納骨堂のように個別のスペースがずらっと並んだロッカータイプや、近年では墓参スペースにICカードをかざすと目の前まで遺骨が運ばれてくる「自動搬送型」と呼ばれるハイテクなお墓も登場しています。
屋外型のお墓
屋外型はおなじみのいわゆる「お墓・霊園」というイメージのもの。郊外の丘陵地などを開発した大規模な霊園も増えてきています。
プレートにその人の名前を彫った個別の永代供養墓のほか、ロッカータイプの納骨壇型、納骨塔の下に安置するタイプ、桜などのモニュメントとなる木の下に安置する「樹木葬」も広い意味では永代供養に含まれます。形式やデザインは霊園によって多種多様です。
遺骨の安置法方は?
遺骨の安置についての代表的なものは以下です。
【個別安置型】一人分の骨壺が安置できるもの
【集合安置型】夫婦墓やペットと一緒になど、複数の遺骨を安置できるもの
【合祀型】他の遺骨と合同で安置されるタイプ
このように永代供養と言ってもたくさんの種類があります。
どういったタイプがご自分の求めているものなのかしっかり把握しておくと、お墓を探す際にスムーズです。
その場合は気になるお墓の資料を複数請求し、比較検討される事をおすすめします。
以下のホームページでは全国のお墓から希望にあったものを簡単に検索でき、一括で資料請求をする事ができるので、ぜひ活用してみてください。
永代供養墓の運営者は主に3パターン
永代供養の運営母体は大きく3つのパターンに分けられます。
公営墓地(価格:約5万円〜)
県や市町村などの自治体が運営する墓地です。
- 費用が安い
- 宗教・宗派不問
- 申込資格や条件が限られている
価格が非常に安いのが最大のメリットですが同時に申込みの倍率が高く、希望していても入れないといったケースも。
神戸市初となる市営墓地「鵯越合葬墓」は、第一期募集に応募者が殺到。想定の5倍の申込みがあったそう
神戸市の墓地「鵯越合葬墓」に申込み殺到、次回募集時期や価格は?公営墓地は価格を抑えたいと考えている方にとっては良い選択と言えるでしょう。しかし、お墓がある自治体に居住していた、納骨できる遺骨が既に手元にある場合といった条件を指定している場合も多いです。
そしてインターネットでの募集はほぼなく、自治体の広報誌などで告知されるため、情報収集が難しいといったデメリットも。公営墓地を希望する場合はこまめに広報誌などをチェックする必要があります。
民営墓地(価格:約30万円〜150万円)
民間企業が運営主体となっている霊園です。
- 公営墓地と比較して費用が高め
- 宗教・宗派不問
- 事業主体の経営状況をよく調べる必要がある
新聞雑誌の広告やTVCMなどで見かけるお墓はほぼ全て民営墓地と考えてよいです。主に石材店や土地開発会社が主体となっています。
周辺環境や交通の便がよく、公園のように綺麗に整備された霊園も多く、環境が良い霊園も多数。現在ではこの民営墓地が数も多く、永代供養の主流となっています。
寺院墓地(価格:約30万円〜150万円)
3つめはお寺に併設された永代供養墓です。
- 公営墓地と比較して費用が高め
- お寺の檀家になることが条件の場合も
- 葬儀・法要などのすべてを執り行ってもらえる
お墓とは別に永代供養墓や納骨堂を併設する寺院も少なくありません。そのお寺の宗派に則った法要などの行事が執り行われます。
納骨堂は霊廟(れいびょう)とも呼ばれ、墓石のお墓が広まるもっと以前から存在している埋蔵方法。きちっとしたお寺で供養してもらいたいと考える方に取っては寺院墓地は最適な選択と言えます。
永代供養を選ぶべき理由
全ての人が永代供養墓に入るべきだと考えてはいいませんが、冒頭でも述べたように永代供養は「合理的な選択」であるという事は間違いありません。
- 価格を安く抑えられる
- 自分のライフスタイルに応じて選択できる
- 管理をすべて任せられる
当サイトでは、見学時に役立つチェックリストを配布中です。
こちらの記事で見学の際にチェックするべきポイントなどを紹介していますのでぜひ活用してみてくださいね。
墓地見学時のチェックポイントを解説! 【必ず役立つリスト付き】
編集部
希望のお墓を探すならココ!
簡単に全国7000以上のお墓を検索!「お墓さがし」
人気の樹木葬や納骨堂、永代供養墓などの納骨先を網羅し、24時間受付対応、メールや電話でも相談可。口コミも多数掲載されており、生の声を参考にしながらじっくり選ぶことができます。気になったお墓の無料の資料請求を利用してみましょう。
上場企業が運営!安心の「いいお墓」
「いいお墓」は東証一部上場企業の株式会社鎌倉新書が運営しているから安心。全国に提携のお墓があり、資料請求、各種相談を無料で受け付けています。
評価 おすすめポイント 現地見学で3000円のギフトカードプレゼント! 特徴 上場企業が運営で安心 「いいお墓」では現在キャンペーンを行っており、霊園の現地見学予約で3000円、お墓購入で最大10000円のギフトカードをプレゼント中。お墓を購入予定の方は見学予約を申し込むことをおすすめします。
つどいの地仙塩丘の上霊園
継承が必要なく、お墓の管理もすべて任せることができるので、お墓の後継者がいない方でも安心です。
コメントを残す